【ルートの場合】
「おかえりなさいませ、ご主人さ……ま」
「……こんなところで何やってるんだよ!! ほら、帰るぞ」
「ちょっと、ルー……ご主人様、帰るってどこに帰るんですか?」
入店したとおもったら、突然手を引かれユノは焦った。
何も分かっていないユノの表情にルートは苛立ちを隠さない。
「家に帰るんだよっ。ほらっ、ユノ」
「せっかく帰ってきたと思っておりましたのに……ひどいです」
「え……ユノ?」
うるうると瞳を潤ませて、ユノはルートを見上げる。
上目遣いのユノより少し背の高くなったルートはその視線に動揺した。
「私を置いてどこにいくんですか? 行かないで……」
「っ……」
ユノの涙ながらの懇願に、ルートは早々に白旗を揚げた。
* *
「ユノちゃん……小技を身に着けたな」
「うふふ、なんたって私の娘ですもの。これだけの人数を接客すれば小技くらいねぇ……」
2008.04.02