【レインの場合】
「おかえりなさいませ、ご主人さ……ま」
「……ただいま」
「……? どうかしましたか?」
顔を赤くして、そっぽを向いてしまったレインにユノは問う。
その無邪気な顔を見て、なおさら頬を染めたレインははにかんだ。
「可愛い」
「えっ……!? 誰が?」
「ユノ。可愛いよ。似合ってる」
「えっ、あっ、あ……ありがとう、ございます」
不意打ちに褒められて、ユノは顔を赤くする。
お互いにモジモジと一向に進まない話に、コホンとひとつ咳払いをするレイン。
「えーっと、こんな所で立ち話もなんだから、席に案内して」
「あ、はい、ただいまっ」
「(慌ててるところも可愛いなんて……末期だなー)」
こちらへどうぞといい案内するユノに、レインはそんな事を思う。
彼の口元には自然と笑みが浮かび、店内にいた女性客の視線を奪った。
その視線にレインが気づくことはない。
* *
「彼も天然タラシみたいね」
「初恋カップルみたいな甘酸っぱい雰囲気でいっぱいだな」
2008.04.02