【マスターの場合】

「おかえりなさいませ、ご主人さ……ま」
「よう、お嬢ちゃん。やっとウェイトレスに戻ったのか?」
「いえ、期間限定で頼まれて……あ、ご主人さま、お席へどうぞ」
「遠慮するよ。その格好が見たかっただけだからなぁ」
「…じろじろ見ないでください、ご主人さま」
「ウィルの奴喜ぶだろうなぁ。今のうちに、ルートに怒られる覚悟しておくんだなぁ」

マスターに言われて、彼らに一言も言っていない事実に気づいた。
にやにやと意地悪く笑うマスターにユノは慌てる。

「マ、マスターっ!! 言わないでください、秘密でっ」
「うーん、やっぱりマスターって言われるほうが落ち着くなぁ」
「……マスターは意地悪です」

むくれるユノの頭をマスターはぐりぐりと撫でる。
あくまでマイペースなマスターの様子に、ユノは負け惜しみを呟いた。


* *


「年の功。さすがあのウィルの師匠ね」
「孫をからかうおじいちゃんってタチ悪いな」







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2008.04.02